エイリアン:非知的生命体
スレッシャーモウ
スレッシャーモウは地下に生息する肉食動物で、常に食べるか獲物を探して一生を過ごす。スレッシャーモウは胞子から育つ生物である。この胞子は大変頑丈で、数千年も休眠でき、長らく宇宙を漂ったあげく大気圏に突入しても死ぬことはない。実際、大昔の宇宙旅行によって運ばれたスレッシャーモウの胞子があちこちの惑星で見られる。
スレッシャーモウが全身を地上に現すことはない。頭と触手だけを地表に出して獲物を攻撃する。直接攻撃に加えて、猛毒の化学物質を噴射し、超低周波音で衝撃派を起こしてターゲットを倒す。
2117年、アクーゼのコロニーで連合は初めてスレッシャーモウに遭遇した。当時、開拓チームとの連結が途絶えたため調査隊な派遣されたが、空腹のスレッシャーモウたちが上陸部隊を襲い、ほとんどの兵が殺されたのだ。連合軍では、スレッシャーモウと戦う時には車両搭載の火器を使用するよう推奨している。
ハスク
ゲスは侵略地域の制圧を完了すると、捕らえた生存者や自体を集め、鋭く尖った装置で串刺しにする。この装置が犠牲者の体から水分やミネラルを抽出してサイバネティックスに作り変え、短時間で彼らを機械化はれたゾンビ、通称「ハスク」に変えてしまう。
サイバネティックス化によって死者の筋肉や組織がよみがえり、意志を持たない殺人マシンが生まれる。連合軍兵士は、ハスクを作り出す装置を、伝説のドラゴン「アレス」の歯をまいた場所から戦士が生まれたという神話にちなんで、「ドラゴン トゥース」と呼ぶ。
ハスクを生み出す「ドラゴン トゥース」は、ゲスの持つ技術の中でも特異性が高い。ゲスがなぜ有機生命体の死体から少量の資源を抜き取るのかは不明だが、ハスクを使い捨ての兵力として重宝しているのは明らかである。
エイリアン:評議会非加盟種族 2
ハナー
ハナーはシタデル評議会の傘下にある種族で、非常に礼儀正しいことで知られる。正確にな表現を好み、言葉の誤用や乱用を嫌う。他の種族と接する機会を持つハナーは、事前に不適切な語法を許容できるよう、特別な訓練を受けるほどである。
ハナーは2つの名前を使い分けている。「フェイスネーム」は一般的に用いる名前、「ソウルネーム」は親友や親族の間柄でのみ使用される名前である。ハナーはフェイスネームで付き合う相手との会話では、自分のことを一人称では呼ばない。自分を指して「私」や「僕」などと言うことは利己的であると考えており、代わりに「この者」または「これ」と言う表現を用いる。
ハナーの故郷であるカジェは、地表の90%が海である。高エネルギーの白色矮星の周囲を公転しているため、空は常に雲に覆われている。惑星に点在するプロセアン遺跡は彼らの崇拝の対象であり、ハナーの神話には言語と文明をもたらした古い種族が登場する。
2160年代の初め、連合はスキリアンヴァージで積極的なコロニー解説を開始したが、この動きが数十年にわたって同宙域の開発を進めていたバタリアンを刺激した。2171年、バタリアンは評議会に異議申し立て、ヴァージは「バタリアンの領宙域」であると宣言した。評議会はこれを認めず、人類は当該宙域の未開の惑星にいつでも入植できるとの決定を下した。
バタリアンは対抗措置としてシタデルの大使館を閉鎖し、評議会との外交関係を絶って、事実上、無法種族となった。その後、バタリアンはヴァージ宙域で代理戦争を引き起こした。犯罪組織に資金や武器を提供して人類のコロニーを攻撃させたのだ。
2176年のスキリアン強襲作戦で、バタリアンが雇った宙族や奴隷商人が人類都市、エリジウムを攻撃すると、バタリアンと人類の敵対関係はいよいよ緊迫した。2178年、連合はスキリアン強襲作戦の報復として、バタリアンに雇われた犯罪者たちの中継基地であったトルファンの衛星を攻撃した。その結果バタリアンは自らの星系に退却し、現在はその姿をシタデル宙域で見かけることは稀である。
ヴォルス
ヴォルスはシタデル加盟種族でシタデルに大使館を持っているが、同時にトゥーリアンにも従属している。何世紀も前に、彼らは進んでトゥーリアン総統府に帰属し
その商才を提供する代わりにトゥーリアンの軍事的庇護を受けてきた。
ヴォルスの出身星であるイリューンは恒星の生命圏をはるかに超えた場所であるが、温室効果を持つ高気圧の大気がアンモニア系生物生息を可能にしている。ヴォルスは他種族と接する際、与圧服と呼吸装置を必要とする。彼らにとって、窒素と酸素を含有する標準的な大気は有害であり、ほとんどの種族が暮らす低気圧の環境では体が避けてしまう。
ヴォルスの文化は旧習的で、地位を得るために土地や人すら差し出すことがある。こうした等価交換文化を背景に持つため、彼らの経済観念は発達している。「統一銀行法」を起草したのはヴォルスであり、今も、シタデル経済を監視し、その均衡を保っている。
エイリアン:評議会非加盟種族 1
エルコー
エルコーは重力の大きな惑星、デクーナを故郷とする種族で、シタデル評議会の傘下にある。身体が非常に大きく、安定を保つため筋肉質な4本足を持っている。動作が緩慢だが、これは転倒が死につながる環境に適応するための進化である。こののとは精神面にも影響し、慎重で保守的な性格を持つ。
エルコーの会話は退屈で一本調子である。エルコー同士は匂いやちょっとした仕草、不可聴の超低周波音などでコミュニケーションをとり、その表現力は人間の表情などとは比べ物にならないほど豊かである。反面、他種族との意思疎通が難しく、喜怒哀楽を伝えるには、いちいち言葉で説明しなければならない。
エルコーの故郷デクーナは重力が大きく、山が形成されない。惑星の大半が平地で、先史時代のエルコーのエルコーは広々として平原を小規模な家族単位で移動していた。現代のエルコーも広々とした空の下を好み、宇宙船での生活に居心地の悪さを感じているようだ。
クォリアン
約300年前、クォリアンはゲスの手で故郷の星系を追われた。それ以来、ほとんどのクォリアンは、旅客用シャトルから移動式宇宙ステーションに至るまでサイズの異なる5万隻で構成される「移民船団」内で生活している。
1700万人のクォリアンが暮らす船団では当然、資源が不足している。こうした背景から、「成人の儀式」と呼ばれる通過儀礼が生まれた。クォリアンは成人に達すると船団を離れ、価値のあるものを見つけるまでは帰還が許されない。
ゲスの生みの親であることや、移民船団がおよぼす悪影響から、他種族はクォリアンを見下す傾向にある。そのせいか、クォリアンに関する根も葉もない噂話は絶えない。たとえば、クォリアンの衣服やマスクの下は有機生命体と機会パーツが合体したサイバネティックである、というものだ。
クローガン
クローガンは苛酷な環境下で進化してきた。クローガンの最大の死因は火器の発明によって「射殺」に変わったが、それまでは「被食」であった。
サラリアンによって発見当時、クローガンは原始的で野蛮な種族であり、自ら引き起こした核の冬を懸命に生き抜いていた。サラリアンはクローガンを文明化し、ラクナイ戦争で兵士として戦えるよう、近代技術の使用法や生産方を教え込んだ。
故郷の過酷な環境を克服すると、繁殖力の強いクローガンの人口は爆発的に増加した。その結果、クローガンは先住民の有無にかかわらず、近隣惑星への強引な入植を開始した。この「クローガンの反乱」は1世紀近く続き、サラリアンが開発した生物兵器「ジェノファージ」をトゥーリアンが散布して、ようやく終結した。
ゲス
ゲスは、300年前に労働と戦争の道具とひてクォリアンによって生み出された、ネットワークAIを持つ人間型ロボットである。ゲスに自己進化の兆しが現れると、クォリアンは彼らを破壊しようと試みたが、自意識を獲得したゲスに逆襲され、敗退した。これを教訓として、銀河系社会では人工知能の開発を法的、体系的に制限するに至った。
ゲスは独特の分散型知識を持つ。各個体は初歩の動物的本能を有するにとどまるが、数が増えてお互いの距離が縮まると、驚異的に知識が向上する。集団になると、他の有機生命体種族と同様に状況を分析し、戦術を用いることができる。
ゲスの宙域は銀河系ペルセウス雲の先端部分、無法地帯となっているテルミナス宙域の向こう側にある。ガスとチリで構成される暗黒星雲、「ペルセウス雲」はゲスの の宙域とテルミナス宙域の狭間に存在する。
エイリアン:評議会加盟種族
エイリアン:絶滅危惧種
プロセアン
5万年前、プロセアンは銀河で唯一、宇宙航行技術を持つ種族であった。だが彼らは短期間の間に全銀河系から姿を消し、現在はその帝国の遺産だけが残されている。プロセアンが建造されたとされる、マス リレイやシタデルがなければ、現代のように幾多の種族が宇宙を航行し発展することはなかったであろう。
ラクナイ
ラクナイは絶滅危惧種だが、過去にはシタデル宙域の全種族を脅かしたことがある。2千年以上前、探検者たちは愚かにも未知の星系につながるマス リレイを開いてしまい、謎の生命体と遭遇した。それこそが群れを形成する知的昆虫型種族、ラクナイであった。
不幸にもラクナイは敵対的な種族だった。こうして銀河系に「ラクナイ戦争」が勃発した。ラクナイの故郷は猛毒の惑星であり、その地下で兵隊を指揮する女王たちと直接交渉することは物理的に不可能であった。
「ラクナイ戦争」を終結させたのはクローガンであった。どんな過酷な環境にも耐えられる彼らが、ラクナイの巣に突入して女王を攻撃し、ラクナイが評議会から奪った惑星を返還するよう求めた。ラクナイはクローガンの要求を拒み、その結果、銀河系から絶滅させられた。